ちょっと時間が経過してしまいましたが、前回の記事では、Claudeと一緒に映画のウォッチリストアプリを作った話を書きました。
あれ以来AIでのアプリ開発にハマり、Claudeとアプリの微調整を続けたところ、会社で配布されていたアカウントが、あっという間に利用上限に到達してしまいました。
これでは本来の業務にも支障が出かねないと思い、個人で有料プランを契約することに。
「今度こそ業務に役立つものを作ろう」
そう意気込んでアイデアを練っていたのですが、最終的にできあがったのは、また仕事とはまったく関係のないアプリでした。
制作背景
今回の題材は、身内が経営している建築デザインの会社が抱える、ちょっとしたお悩み解決です。
そこでは、施工が完了してお客様に物件を引き渡す際、スプレッドシートで報告書を作成しているとのこと。
報告書のテンプレートは決まっていて、内容もテキストと写真のみ。
入力内容がシンプルゆえに、スプレッドシートの多機能性がかえって仇となり、操作に慣れていない方は報告書を1枚作るだけでも結構な時間がかかってしまう、という話を聞きました。
やりたいことはシンプルなのに、ツールが高機能すぎてかえって大変になっている。まさに専用アプリの出番だと思いました。
「足りない」ではなく「ありすぎる」という悩み
ツールへの不満というと、普通は「あの機能があればいいのに」という「足りない」方向を思い浮かべますが、今回はその逆で「機能がありすぎて、かえって使いづらい」という「引き算」の考え方です。
こんな場面でも、AIによる開発がハマります。
多様な機能が盛り込まれた既製品から機能を削るのは難しいですが、ゼロから「必要なものだけ」を組み上げるのは、むしろ簡単です。
作業内容から必要な機能を洗い出し、いつも通りClaudeにやりたいことを伝えた結果、こんなアプリが完成しました。
1 . ドキュメント一覧
アプリを開くと、まず作成済みの報告書が一覧で表示されます。ここから新規作成と、作成済みドキュメントの編集を選択します。
新規作成なら画面右上のボタンを、既存ドキュメントの編集なら一覧から該当のドキュメントをクリックします。
2 . 極限まで簡略化したドキュメント作成機能
書類のテンプレートを事前に用意し、各テンプレートが1枚ずつ作成された状態から作業を開始できるようにすることで、手動でのテンプレート作成・複製といった無駄な作業をカット。
ページ追加も用意されたテンプレートから任意のもの選ぶだけ。シートの並び替えや名称変更などはスプレッドシートに近い操作感にし、導入時の学習コストがかからないようにしました。
入力作業も用意された枠にテキストを入力、画像を登録するだけと、とにかくシンプルに振り切っています。
決められた枠を埋めていくだけなので、必要最低限の操作だけでドキュメントを作成できます。
アップされた画像に対しては自動圧縮の処理を入れており、容量が大きくなりがちなスマホ撮影の写真も加工せずにそのままアップできます。
3 . ドキュメント印刷とPDF化
入力が終わったら、プレビューで仕上がりを確認。
プレビューの段階で見出しや罫線、フォントの体裁まで揃え、A4サイズに収まるよう自動調整されます。
担当者が面倒な調整作業をすることなく、印刷ボタンを押すだけで綺麗に整った報告書が完成します。
4 . バックアップ機能
当アプリはDB連携をしていないため、データは基本的にローカルストレージに保存されます。
DBへの保存が理想でしたが、エンジニアでない人間がAIの言われるがままに接続したDBにお客様の情報を入れるのはいかがなものかという判断で、今回は断念しました。
ただデータの移行やバックアップはできた方が良いなと思い、データのエクスポートとインポート機能をつけました。
手動にはなりますが、必要最低限のバックアップや別端末への引き継ぎも可能です。
まとめ
非エンジニアでもアプリが作れるサービスは数年前からありますが、その多くはあらかじめ用意された機能を組み合わせていく形式です。
手軽な反面、細かなカスタムができず、痒いところに手が届かないもどかしさを感じた方もいるのではないでしょうか。
その点、AIとの開発は、機能を必要なだけ詰め込めて柔軟なカスタムもできます。しかも、コードの知識が不要で導入のハードルは思っている以上に低い。
「やりたいことはシンプルなのに、なぜか手間取っている作業」は身近にありませんか。
簡易アプリを作成することであっさり解決できるかもしれません。
前回の記事と重複しますが、まずは軽い気持ちで作ってみるのがおすすめです。
新卒入社からの成り上がりディレクターとして現在奮闘中!デザインから広告運用まで、あらゆる分野を制覇するマルチタレントを目指して日々挑戦中です。仕事ではスマートなディレクションを目指す一方、プライベートでは家という名の要塞で引きこもりライフを満喫中。アニメが好きだったりする。
ハンダちゃん
Webディレクター / 2022年入社